幼稚園中退、小学校不登校から始める中学受験日記

中学受験日記|発達障害と診断された子供を持つ親が悩みながら共に成長を目指す記録(夫婦当番制で記載)。同じ境遇にある家庭と共に歩む記録。

多様な個性が長所として活かされる教育は実現できる?教育再生実行会議を通じて考える。

   

 

2月4日、安倍首相は34回目となる教育実行再生実行会議を開催。

「学力差に応じた教育」、「特に優れた能力を持つ子供たちの力を更に伸ばす教育」について議論が行われました。

 

本日は教育再生実行会議で話し合われた内容を通じて、教育改革の方向性について考えていきます。

 

 

教育再生実行会議とは?

 

わたしは、最近この「教育再生実行会議」という言葉を知りました。

平成25年(2013)に安倍晋三首相の私的諮問機関として官邸に設置された会議体。内閣総理大臣・内閣官房長官・文部科学大臣と15名の有識者で構成され、いじめ問題への対応、教育委員会の抜本的な見直し、グローバル化に対応した教育などを審議する。

デジタル大辞泉より引用

首相直属の会議体ということです。

この会議の他に、教育政策を検討する組織としては「中央教育審議会」があります。

ただ、この中央教育審議会は文部科学省の諮問機関で、結論を出すまでに時間がかかるのが問題点。

教育再生実行会議は首相直轄の有識者会議とすることで、迅速な議論・改革提言を目指していると。

 

これまでの会議で話し合われた内容、提言はどのようなものがあったのでしょうか。

実行会議では、テーマを決めて集中的に議論してきました。まず取り組んだのは、いじめ問題です。3回目の会合で第1次提言をまとめ、いじめを防止するための法整備、学校や家庭、地域が一丸となっていじめに向き合う体制作り、道徳の時間を教科に格上げすることを提案しました。

 第2次提言では、教育委員会制度について、首長に教育長の任免権を与えた上で、教育長に教委の権限と責任を一元化するように改革を求めました。

 その後も、小学校の英語を教科にすることや、大学入試センター試験に代わる新たなテストの導入、小中一貫教育の制度化などが打ち出されました。約2年半の間に出された提言は八つ。

読売新聞より引用

会議の提言は政府政策に反映されています。

今年4月に施行される改正学校教育法で導入される小中一貫教育、大学入試センター試験の廃止等、教育再生実行会議の提言が影響していると言えます。

 

 

では、今回の会議内容についてみていきます。

学力差に応じた教育

クラスの中には授業が理解できない生徒とわかっていてつまらない生徒の両方がいるのが現実だと思います。

そこで、公立の学校でも学力差に応じた教育を検討していこうというものです。

 

習熟度別少人数指導の実施

会議の資料では「習熟度別少人数指導の現状」として、学力に応じて少数グループに分けて授業を行っているケースが紹介されています。

算数科の授業において、1学年3学級を「ばっちりコース」(発展)、「しっかりコース」(標準)、「じっくりコース」(基礎)の3つコースに分け、習熟度別少人数学習を実施。その際、学級担任に加え、少人数指導担当(学年によってはさらに学習指導講師が加わり)3学級を4グループまたは5グループにして指導。

東京都大田区立開桜小学校の取組(算数)

首相官邸 平成28年2月4日教育再生実行会議 配布資料より引用

 

上記のような習熟度少人数指導を多くの時間で行っている学校は取り組みを行っていない学校と比較して、学力上位層が多く、学力下位層が少ないという関係が見られたということです。

また、習熟度少人数指導を多くの時間で行った児童の方が、教科(算数)を好き・大切・よく分かると肯定的な回答をしている割合が多いとの結果が出ました。

レベルに合った教育を行った方が、全体的な学力の底上げが図れるとの結果と言えそうです。

学力別に勉強するだけでなく教師の数も増やし、きめ細かいフォローを行った影響もあると考えます。

 

資料中で記載されているデータで驚いたのが、習熟度少人数指導を行っている学校数の多さ。

いずれかの教科で習熟度別指導を行っている学校の割合は、公立小学校で82.9%、公立中学校で78.9%(H25)。

ちなみにうちの子供に聞いたところ、そのような学習は行っていないと。

どれだけ突っ込んで実施がされているのかはわかりません。

学校による取り組み状況の差は大きいのではないでしょうか。

 

 

ICTを活用した個別学習支援

ICTを活用した個に応じた学習支援についても触れられています。

通常の授業において一人一台タブレットを使用した協働学習を実施するだけでなく、個別学習においても、個別学習支援システムを活用し、授業内や家庭学習等でICTを活用。授業内において、教員の説明後に演習として活用するだけでなく、家庭に持ち帰って自宅での復習に活用している。

東京都日野市平山小学校の事例(平山小学校は、平成22年度総務省「地域雇用創造ICTプロジェクト採択校」)

首相官邸 平成28年2月4日教育再生実行会議 配布資料より引用

長野県坂城町立南条小学校は、既存のコンピューター教室のデスクトップPCで演習や補充学習を実施。

結果、学力の向上が見られたとのことです。

学校だけでなくNPO法人が行政と連携して学習支援を行ったケースも紹介されています(島根県益田市、宮城県仙台市)

 

その他、「学力差に応じた教育」では放課後や土曜日などにおける発展・補充学習などについても触れられています。

 

 

 

次に、「特に優れた能力を持つ子供たちの力を更に伸ばす教育について」分野をみていきます。

特に優れた能力を持つ子供たちの力をさらに伸ばす教育について

挙げられていた項目は以下です。

・大学への飛び入学
・特色ある大学入学者選抜
・小学校段階からの専科指導(教科専門指導)
・スーパーサイエンスハイスクール
・スーパーグローバルハイスクール
・スーパー・プロフェッショナル・ハイスクール
・グローバルサイエンスキャンパス
・新進芸術家海外研修制度
・異才発掘プロジェクトROCKET

 

この中で、特に小中学生に関係する「小学校段階からの専科指導」、「異才発掘プロジェクトROCKET」について記載します。

 

 

小学校段階からの専科指導

小学校では、1人の担任の先生が全ての教科を教えているというのが一般的だと思います。

これを中学校以降と同様に教科別担当を浸透させようというものです。

小学校の専科指導(教科専門指導)により、理解の進んでいる児童へは、より発展的な学習を実施することにより能力を更に伸ばし、学力低位層へは、教科の本質をわかりやすく児童に伝えることでつまずきをなくすよう、教科ごとの専門性の高い指導を充実する。
⇒小中一貫教育における小学校高学年での教科担任制の実施
・【英語】中学校英語科教員による中学英語への接続を意識した専門的な指導 等
⇒【理科】科学的思考力を伸ばす実験・観察
・専門性や十分な教材準備の時間を生かした、充実した実験・観察を通じ、仮説を立て、学び合う中で結果を予想し、結果を吟味し合う授業を実施。
・実験用機器やICT機器を創意工夫を持って活用し、「なぜ?何?」に応える発展的な学習を実施。 等
※教員採用試験において、小学校英語の特別選考を実施している団体あり(奈良県・佐賀県)

首相官邸 平成28年2月4日教育再生実行会議 配布資料より引用

教科別指導を行った富山県では専科指導の評価をヒアリングしています。

児童の評価は、「授業がよくわかる」93.9%、「授業が楽しい」95.1%と高いです。

今後、小学校でも教科別の指導が広まっていくかもしれません。

 

 

異才発掘プロジェクトROCKET

このプロジェクトは、ニュース等を通じてご存じの方もいらっしゃると思います。

「突出した能力はあるが、現状の教育環境に馴染めず不登校傾向にある小・中学生を選抜し、継続的な学習保障及び生活のサポートを提供する」ことによって、「将来の日本をリードしイノベーションをもたらす人材を養成する」ことを目指し、東京大学先端科学技術研究センターと日本財団が平成26年から開始。

首相官邸 平成28年2月4日教育再生実行会議 配布資料より引用

素晴らしい能力は持っているものの発達障害などで、学校環境に馴染めずに不登校になっている生徒を発掘してサポートするというもの。

日本のエジソンを探すというようなプロジェクトです。

 

異才発掘プロジェクトROCKETのホームページ

異才発掘プロジェクトROCKET HPリンク

 

ROCKETの選抜、取り組みは以下のようなものです。

対象人数
第1期(平成26年12月から1年間):全国601名の応募者の中から、15名を選出。
第2期(平成27年12月から) :全国536名の応募者の中から、13名を選出。

書類選考と面接で選出されたスカラーが東京大学先端科学技術研究センター内に開設された教室に月に数回のペースで集まり、
・科学技術や芸術、スポーツ界など様々な分野で活躍するトップランナーによる講義やディスカッション
・プロジェクトベースドラーニングと呼ばれる料理や工作など身近なものを題材にした実践型の教育プログラム
・一人一人の興味に応じたインターネットを利用した個別指導等を実施。

スピルバーグ監督は、自身が発達障害であることを告白しています。

スティーブ・ジョブスやビル・ゲイツもアスペルガー症候群と言われています。

 

素晴らしい能力がある人間の才能を伸ばしていくこの取り組みが、もっと大きくなっていけばいいなと個人的に思っています。

そうすれば、日本から世界を変えるイノベーターが育ってくるのではないでしょうか。

 

 

まとめ

今回の教育再生会議では「個性に応じた教育」について様々な事が議論されていました。

いずれも先進的な取り組みが多く、今後どのように教育現場に反映してくるのか注視したいです。

 

「学力差に応じた教育」の推進は、学力向上の観点からみて生徒にとってメリットが大きいと考えます。

一方、学力差によるクラス分けがクラス内のヒエラルキー形成やいじめの元にならないよう注意が必要です。

運営方法については検討を重ね、導入を検討して欲しいです。

 

また、発達障害児の個性を活かした教育の実験「ROCKETプロジェクト」は注目しています。

とかく日本の学校教育は均一的な教育を押し付けがちです。

このような取り組みによって卓越した能力を持つ人材が世界で活躍したら、個性を活かす教育が日本でも認知されてくるのではないかと期待しています。

 

今後も、子供達の教育環境についての動向・情報を取り上げていきたいと思います。

 

 

本日も、最後までお読みいただきありがとうございました。

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