幼稚園中退、小学校不登校から始める中学受験日記

中学受験日記|発達障害と診断された子供を持つ親が悩みながら共に成長を目指す記録(夫婦当番制で記載)。同じ境遇にある家庭と共に歩む記録。

教師の指導によって生徒が自殺。なぜ「指導死」は防げないの?

   

先日広島県府中町で発生した、中学三年生の自殺。

原因は既に報道の通り、「万引き冤罪」による私立高校への推薦拒否という担任の指導です。

 

教師の「指導」によって、生徒が自殺に追い込まれる事件が少なからず発生しています。

生徒指導の結果、子供が自殺にいたる「指導死」について考えてみます。

 

 

指導死とは

ご自身の子供が、教師の指導によって自殺をした経験を持つ大貫隆志氏。

現在は「指導死親の会」の代表世話人として活動をしています。

大貫隆志氏が定義する指導死は以下のようなものです。

生徒指導をきっかけとした 子供の自殺「指導死」の定義

1.一般に「指導」と考えられている教員の行為により、子どもが精神的あるいは肉体的に追い詰められ、自殺すること。

2.指導方法として妥当性を欠くと思われるものでも、学校で一般的に行われる行為であれば「指導」と捉える
  (些細な行為による停学、連帯責任、長時間の事情聴取・事実確認など)。

3.自殺の原因が「指導そのもの」や「指導をきっかけとした」と想定できるもの(指導から自殺までの時間が短い場合や、 他の要因を見いだすことがきわめて困難なもの)。

4.暴力を用いた指導が日本では少なくない。
  本来「暴行・傷害」と考えるべきだが、これによる自殺を広義の「指導死」と捉える場合もある。

指導死 大貫隆志 より引用

 

大貫氏が調査・相談を受けていくなかで、「指導死」には共通した特徴があることがわかってきたそうです。

指導死の特徴

①長時間(長いもので4時間45分)
②複数の教員による
③精神的な暴力を伴う
④冤罪型の指導
⑤密告の強要
⑥連帯責任
⑦目的からはずれる
⑧不釣り合いの罰則
⑨子どもを途中で1人にする
⑩教育的観点のフォローが無い

週刊女性 3月29日号 より引用

 

 

 

これって子供だけの事?

指導死のことを理解するようになって思ったのは、「これって子供版のパワハラでは」ということです。

厚生労働省資料にあるパワハラ行為の類型を見てみます。

職場のパワーハラスメントの行為類型

①暴行・傷害(身体的な攻撃)
②脅迫・名誉毀損・侮辱・ひどい暴言(精神的な攻撃)
③隔離・仲間外し・無視(人間関係からの切り離し)
④業務上明らかに不要なことや遂行不可能なことの強制、仕事の妨害(過大な要求)
⑤業務上の合理性なく、能力や経験とかけ離れた程度の低い仕事を命じることや仕事を与えないこと(過小な要求)
⑥私的なことに過度に立ち入ること(個の侵害)

職場のいじめ・嫌がらせ問題に関する円卓会議ワーキング・グループ報告 より引用

 

職場の上司を教師に置き換えて考えてみると、問題の構図が似ています。

職場の上司からの指導→パワハラによる自殺
学校の教師からの指導→指導死
職場の同僚もしくは学校の生徒間の精神的苦痛を与える行為→いじめ

残念ながら子供から大人に至るまで、権力を持つ人間による指導や暴力によって精神的に病んでしまう、酷い時には自殺に追い込まれる危険性があるということではないでしょうか。

 

 

なぜ避けられない?指導死・いじめ死

指導死・いじめ死が発生する原因について3つの観点から考えていきます。

・子供には逃げ場が無い点
・優越的地位にある教師と生徒の関係
・未発達な子供の心

 

 

・子供には逃げ場が無い点

職場のパワハラよりも、学校の指導の方が深刻化するケースは多いのではないかと推測します。

理由は、子供には逃げ場が無いことが多いからです。

 

大人であれば、ひどい上司の攻撃を受け続けている時や職場がブラックな場合、転職を考えるのは自然なこと。

メンタルで追い詰められてうつ状態になった場合のセーフティーネットや選択肢は複数あります。

 

一方、学校に通う子供には選択肢はあまり残されていません。

多くの子供達は、毎日学校・家、他にあっても塾くらいのコミュニティにしか属していません。

学校中心に毎日の生活が成り立っている子供がほとんでしょう。

逃げ場がありません。

 

しかも、学校で教師や生徒からいじめを受けた場合の子供がとれる選択肢はわずか2択です。

①我慢する
②不登校になる

3つめの選択肢として「転校する」もあるでしょう。

しかし、実際には転校は精神的にも手続き的にもハードルは高いと考えます。

一旦心が折れてしまった子供が、転校によってすぐに一からやり直せるとは思えません。

 

①我慢するを選択した生徒が、逃げ場が無くなって生きることに耐えられなくなった結果が、指導死でありいじめ死ではないでしょうか。

 

 

・優越的地位にある教師と生徒の関係

教師が持つ力は、学校内では大きいと考えます。

先日の広島中学3年生が自殺した主な理由は万引き冤罪に起因する「学校推薦の謝絶」でした。

教師によって評価・成績がつけられる生徒。

指導が進路に絡むと、生徒は先生の言うことに従わざるを得ません。

 

会社における個人の業績・評価は、その期が終わった時にフィードバックされることも多くなってきています。

それに対して、学校の生徒・家庭への情報開示・フォローはまだまだ未整備の印象を持ちます。

 

生徒の成績・評価の公平性を期すために、第三者的なチェック機関の設置が必要かもしれません。

 

 

・未発達な子供の心

体は大きくなっていても、心はまだまだ未熟なのが小学校高学年や中学生だと思います。

そんな子供の心は大人よりも繊細です。

また、大人のように攻撃を受けた時に、いなしたり・かわしたり・逃げたりという手段を身につけている子供は少ないと感じます。

子供の心は成長過程にあることを前提に、心のゆとりを持って大人は対応した方がよさそうです。

 

 

まとめ

指導の難しい点は、指導方法に正解が無いからということもあるかもしれません。

Aという生徒にとってはよい指導であったとしても、Bには悪影響を与えてしまったということも考えられます。

個人の性格によって指導を柔軟に変えていくのは、なかなか難易度が高そうです。

 

明らかな暴力やいじめを除くと、どこまでが適切な指導なのか線引きは難しいと思います。

 

不幸にも教師の行き過ぎた指導やいじめで子供が被害を受けた時に、最後の拠り所になるのは家庭です。

子供もプライドを持っているため、親に相談しないで問題を抱え込んでしまうこともあるでしょう。

それでも親が子供と向き合って、一緒に問題に対処していくことが問題解決には求められるのではないかと思っています。

 

本日も、最後までお読みいただきありがとうございました。

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